依頼人に寄り添い、良き相談相手となり、解決に至るまでの伴走者として、一緒に問題解決に取り組みます。

不動産の相続登記の義務化に伴い、相続に関する問題が先送りできなくなってきました。当事務所は昭和53年の創業当時から多くの方の抱える問題を解決して参りました。また、司法書士業務以外のご相談であっても、誰に相談していいのか分からないという方も、多くいらっしゃりご相談いただいております。提携している弁護士、税理士と連携をしたワンストップサービスを提供させていただくことが可能です。また、不動産の売却についてもご相談いただけますので、「こんな事くらい」と思わずに、お気軽にご相談ください。

亡くなった親の預貯金はどうやって解約する?

親が亡くなったとき、不動産の相続登記とともに必要になることが多いのが、銀行や信用金庫などの預貯金の相続手続きです。

「亡くなった親の通帳があるけれど、どうすればいい?」「キャッシュカードと暗証番号が分かれば引き出してもいい?」「相続人全員で銀行に行かなければならない?」といったご相談をいただくことがあります。

預貯金の相続手続きは、必要な書類を準備すれば進めることができますが、金融機関によって取扱いが異なるため、思っていた以上に時間や手間がかかることもあります。

今回は、亡くなった方の預貯金を解約する際の基本的な流れと注意点をご紹介します。

銀行などの金融機関が口座名義人の死亡を把握すると、原則としてその口座の取引が制限されるため、通常は相続手続きを行わなければ、預貯金の解約や払戻しができなくなります。

また、亡くなった時点で自動的にすべての銀行口座が凍結されるわけではなく、金融機関が死亡の事実を把握した段階で、取引が制限されるのが一般的です。

まずは、亡くなった方がどこの金融機関に口座を持っていたのかを通帳やキャッシュカード、郵便物などから確認します。

金融機関が判明したら、死亡の事実を伝え、相続手続きに必要な書類を確認します。

一般的には、次のような書類が必要になります。

  • 亡くなった方の出生から死亡までの戸籍謄本など
  • 相続人の戸籍謄本
  • 相続人の印鑑証明書
  • 遺産分割協議書(作成している場合)
  • 金融機関所定の相続届や払戻請求書
  • 通帳やキャッシュカードなど

ただし、これらが必ずすべて必要というわけではなく、遺言書の有無や相続関係、金融機関の取扱いによって必要書類は異なります。

遺言書がなく、相続人全員で預貯金の取得者を決める場合には、遺産分割協議を行うことになります。

その場合、金融機関所定の相続届などに相続人全員の署名・押印を求められることがありますが、遺産分割協議書で預貯金の取得者が明確に定められている場合には、その協議書を利用して手続きを進められることもあります。

また、有効な遺言書がある場合には、遺言の内容に応じた手続きとなりますので、相続人全員が銀行の窓口へ行かなければならない、というわけではありません。

相続人同士で遺産分割の話し合いがまとまっていない場合でも、一定の範囲で預貯金の払戻しを受けられる制度があります。

これは、令和元年7月1日から始まった「遺産分割前の預貯金の払戻し制度」です。

家庭裁判所の判断を経ずに金融機関の窓口で払戻しを受ける場合、原則として、相続開始時の預貯金額の3分の1に、払戻しを求める相続人の法定相続分を乗じた額が上限となりますが、同一金融機関からの払戻しには150万円の上限があります。

この制度は、葬儀費用や当面の生活費などが必要な場合に利用されることがあります。

もっとも、払戻しを受けた預貯金は、その後の遺産分割との関係でも考慮されるため、利用に当たっては注意が必要です。

亡くなった方のキャッシュカードと暗証番号を知っている場合、「銀行に連絡する前に引き出しておこう」と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、相続人の一人が他の相続人に無断で預貯金を引き出すと、後からトラブルになる可能性があります。

また、相続放棄を検討している場合には、亡くなった方の預貯金を使うことで、相続放棄に影響するおそれもあります。

相続人であっても、亡くなった方の預貯金を自由に引き出してよいわけではなく、預貯金の取扱いについては、相続人同士で確認したうえで、適切な手続きを進めることが大切です。

複数の金融機関に預貯金がある場合、同じ戸籍謄本一式を何度も提出することがありますが、そのような場合に便利なのが、法務局の「法定相続情報証明制度」です。

戸籍などをもとに法定相続情報一覧図を作成し、法務局の認証を受けることで、相続関係を証明する書類として利用できるため、複数の金融機関で相続手続きを行う場合や、不動産の相続登記も必要な場合には、手続きの負担を軽減できることがあります。

ただし、法定相続情報一覧図だけですべての必要書類がそろうわけではなく、金融機関ごとに追加書類を求められる場合があります。

預貯金の相続手続きでは、戸籍の収集や相続人の確認に時間がかかることがあります。 

特に、相続人が多数いる、亡くなった方に子どもがおらず、兄弟姉妹や甥・姪が相続人となる、過去の相続手続きが終わっていない、相続人の中に海外在住者がいる、複数の金融機関に口座がある、といったケースでは、手続きが複雑になりやすくなります。

また、銀行や信用金庫、ゆうちょ銀行など、それぞれの金融機関で所定の手続きが必要となります。

不動産の相続登記と預貯金の解約を別々に進めるよりも、相続人調査や必要書類の収集をまとめて行った方が効率的な場合もあります。

亡くなった方の預貯金は、通帳やキャッシュカードがあるからといって、自由に解約できるものではありません。

相続人を確認し、遺言書や遺産分割協議の内容に応じて、金融機関所定の手続きを進める必要があります。

また、複数の金融機関に口座がある場合や、相続人が多数いる場合には、想像以上に時間がかかることもあります。

当事務所では、不動産の相続登記だけでなく、相続人調査や法定相続情報一覧図の作成、預貯金の相続手続きについてもご相談を承っております。

「親が亡くなったけれど、何から始めればよいか分からない」「銀行の相続手続きに必要な戸籍がそろえられない」「不動産の相続登記と預貯金の解約をまとめて相談したい」といった場合には、お気軽に当事務所までご相談ください。